素敵に輝く奏音の子ども達!S君編 ~小学生から大学合格までの道のり~
2021.12.13 | 発達支援ルームに関すること, いろはに関すること現在通信制高校3年生のS君は、11年前の小学2年生から「発達支援ルームどれみ」の利用を開始しました。その頃は、見通しがたたない活動に対しての不安が強く、友達とのやりとりも苦手で、自分の思い通りにならないと些細な事で怒り始め、暴言・暴力に発展していたため、小学生の頃は近隣の特別支援学級の情緒級に所属していました。小学4年生の時に「発達支援ルームふぁそら」が開所したため、どれみからふぁそらに変わりました。ふぁそらでは、広い空間でダイナミックな活動を行いながら同じ学年の利用児と場を共有し、社会性を養っていきました。
沖縄キャンプにも積極的で、小学生の時に3回参加しました。初めての参加の時は他の子ども達と関われず担当スタッフ2人で過ごし、食事もみんなと一緒に摂ることができませんでした。不安が強すぎて体調不良になったりマリンプログラムにもほとんど参加できなかったSくんですが、キャンプ経験が増えるたびにお友達と関わることができるようになり、みんなと場を共有し楽しむことができるようになりました。
6年生の時S君と話し合い、中学校進学に向けて通常級で授業を受ける時間を増やした結果、ほとんどの授業を通常級で受けることができるようになったため、中学校入学と同時に普通級に在籍しました。
中学校では文武両道を目標に掲げ、部活(卓球部)が忙しくなったため、ふぁそらから「いろは訪問看護リハビリステーション」の利用を開始しました。S君は提出物やテスト期間等のスケジュール管理が苦手なので、両親や訪問スタッフとともに自己管理方法を考えました。そして3年間勉強と部活の両立という目標を見事達成し、高校は推薦で遠方の県立高校へ合格することができました。
高校からは、親元を離れ寮生活を開始し、慣れない集団生活でしたが、1年生の時はなんとか過ごしました。しかし、2年生になり集団生活に疲れてきて、朝起きられない、薬の管理ができない、勉強に集中できない等が積み重なり、通学する気力がなくなっていき、遅刻や早退が増えました。帰省した際に、訪問スタッフや両親と話し合いを重ね、高校3年の進級と同時に、地元の通信制高校に転学することを決意しました。
通信制高校に通い始めてからは、日常生活に必要なスキルを改めて身に着けながら、公立大学受験に向けての勉強に取り組み始めました。ところが、いざ「受験勉強をしよう」となると、周囲にある魅力的な誘惑(ゲーム等)に打ち勝つことができず、集中して取り組むことが難しくなり何度か「受験」から逃げ出しそうになりました。高校は推薦をしてくれたものの、S君の心の中では、「遊びたい!」という気持ちと「勉強しないといけない…」という気持ちを上手に整理することができず自暴自棄になり、両親や訪問スタッフと衝突することが増えました。しかし個性も経験も違う3名の訪問スタッフに上手に助言を求め気持ちを整理して、入試課題の自分の歴史のプレゼンテーションと面接、数学の勉強を見事やりきり、見事難関の公立大学に合格しました!
どれみを利用し始めた時は特定の人としか話しができず怒りんぼさんだったS君が少しずつ人との関りを増やし、大勢の知らない人の前でも堂々と自分のことや気持ちを話せるようになり素晴らしいプレゼンテーションを披露してくれるようになったことを本当に嬉しく思っています。(入試の前日にいろはで披露してくれました・・・)
来春から大学生として新たな1歩を踏み出し、S君が望む将来に向けて着実に歩んでいくことを奏音スタッフ一同ずっとずっと応援しています!